Weekly Nathan Vol.10 新生活スタート!㊗イェール大学入学(8月16日~8月26日)

Weekly Nathan Vol.10 新生活スタート!㊗イェール大学入学(8月16日~8月26日)

このWeeklyを更新、公開後チュン学部長***のスピーチ全文と使用したイラストが大学公式から出ましたので少し付け加えました(2018.8.28)。学長スピーチ全文も出ていますので下に貼っておきます。YouTubeに動画もアップされました。合わせてどうぞ(2018.8.29)

皆さん、こんにちは。NCJPのmiyakoです。ご無沙汰している間にチャンプズ・キャンプは終わり、ネイサンはいよいよ大学生。入学のセレモニーも終わり、ガイダンスたけなわですね。このWeeklyが出た頃は専攻のプレイスメント・テストをしている頃かも。練習中に勉強していたのはひょっとしたらそのためかもしれませんね。

入寮が終わってまず最初の大きなセレモニーは何といっても学長の新入生歓迎の講演でしょうか。以前に「海外メディア 翻訳」のコーナーでもお知らせしましたように、イェール大学には「Yale Daily News」という世界最古と言われている日刊学生新聞があります。サイトを見ると学内のことはもちろん、政治や経済、文化芸術、スポーツと多岐にわたっていて、学部1,2年生が中心に作っているとはとても思えないような本格的な新聞です。この新聞に学長講演の要旨が載っていましたので簡単にお伝えします。ネイサンもきっとここで初めてイェールの学生になったと実感したかもしれません。

「In opening address, Salovey expresses support for immigrants, international students」

“For God, for Country, and for Yale!,” 「神のために、国のために、イェールのために」と少し調子はずれの歌を唄ったというところから始まります。主な内容は、新聞のタイトルにもなっているように移民や留学生に対するサポートの表明です。今のアメリカの政治的トピックも踏まえてのスピーチとなっています。

Peter Salovey学長***は入学式では6度目のスピーチ。彼ら初年次の学生達は共通する特性を持っており、それは国籍に関係なくすべての学生が「イェール市民」であるということを強調しました。Salovey学長はイェールの教育や研究には国境を越えた人々の自由な移動が求められていることを力説。「今日、私たちの国と私たちの世界では、市民権と移民に関して熱い議論がなされています。しかし、イェールでは、移民やインターナショナルな学生や学者の(受け入れ)がいかに重要であるかに関して不確実な議論は持ちえません」。

2013年の初めてのスピーチでは、社会経済のモビリティ(移動性)とアメリカンドリームについて語り、彼自身の家族がいかにして貧困から立ち上がったかの物語を話しました。学長は、ポーランドのワルシャワからエルサレムを経てブロンクスに移り住んだユダヤ人の祖父母を持っており、この話はスピーチでもインタビューでも繰り返し出てくるようです。

1881年にHenry Durandがイェールを創設した時と今とでは全く違っている(イェールはアイビーリーグの中でもひときわ白人主義が強い大学だったようです)。数十年前までは殆ど白人、プロテスタント、アメリカ人で占められていた。学長は1986年に心理学で博士号を取っていますが、以前ならユダヤ人の割合は限定されており、あり得なかったと大学の歴史的変化についても自身の経験を踏まえて述べています。今では(2017年秋の統計)121か国から2841人の留学生がイェールに在籍。

ネイサンも移民の子であり、また今季フリーのLand of AlLは移民を扱ったテーマの映画音楽ですし(厳密にいうと若干違うかもしれませんが)非常に関心を持って、かつ共感しながら聞いたのではないでしょうか。

(写真はハンサム・ダン18世が初めて学長にお目にかかった時:本人(本犬?)今日は素晴らしいミーティングだったと語っています🤔😎)

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Great meeting with President Salovey today! @yale

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学生新聞によると、学長の前に学部長のマーヴィン・チュン( Marvin Chun)先生が最初の年に多様な学生間の違いを受け入れ、偏見を持たないようにと注意されたそうです。その説明をする時に有名なアヒルとウサギのイラストのチラシを配ったそうです。これは心理学の多義図形と呼ばれるものの一つで、ご存知の方も多いと思います。様々な例として使われるようですが、心理学が専門ではない私の指導教授は、一つの視点から物事を見ないで別の視点からも見ることの重要性の例としてよく使われていました。今でも強く印象に残っていてイェールの学生新聞を読んでとても懐かしくなりました。人によって見え方も違うし、多様性を受け入れること、見方を変えてみること、見立て直すことの重要性を話されたのではないでしょうか。最近は、脳の独創性を測るのに使われることもあるそうです。さて、15秒間見てください。あなたは何に見えましたか?そしてもう一つ見えると知った時に見立て直すことはできましたか?実際どのイラストを使ったかわかりませんがよく使われる2枚を(この後、大学公式より一番下に挿入したイラストの提示とスピーチの全文が出ました。学生新聞には書かれていませんが、このスピーチには前段の部分があり、また後半はリベラルアーツ教育とは何か、その真髄が語られています)

(追記)チュン学部長は、心理学の教授であり、ニューロサイエンスの研究者です。最初に4枚のカード(下記)を示し、最初のアルファベットと数字の組合せのカードでは(Wason and Shapiro,1971)の研究から確認バイアス、仮説検証について話しています。次の話がこのウサギとアヒルです。ここでは何に見えたか挙手させて、私たちの知覚的解釈、記憶、思考はすべて心の構図であり、同じ目的、事象、または証拠を考慮しても人々の間で異なる。(例えとして一番下の漫画を示し、ウサギ神とダック神を頂いている両軍ですが、実はよく見ると同じ旗を持っていることを確認するのです)大学は、違いを評価し、積極的にそれを探し出す場所であり、最初のステップで違いを受け入れ容認するだけでなく、それを主張するだけでもなく、違いが快適になる必要があると主張されています。以下、省略しますがリベラルアーツ教育の素晴らしさを説いています。また、ここに集まっている学生達がいかに多様かを示し(半分はカラーズであり、アフリカ系アメリカ人12%、アジア系アメリカ人22%、15%のヒスパニック系/ラテン系人、2%ネイティブアメリカン。9人のうち約1人が57カ国からの留学生であり、3人中2人が公立高校に通っていた)、そして、自分が確かな偏見に陥るのを見つけたときはいつでも停止し、あなたがアヒルの人であれば、ウサギの人々を見つけて共通の根拠を見つけるようにと述べました。

さて、肝心のネイサンです。寮への引っ越しも終わり、ガイダンスも進んでいます。ガイダンスは朝9時から夜は24時まで。特に22時から24時にかけてウェルカムパーティやソーシャルアクティビティ(何かは不明)が毎日行われていて、既に10時間睡眠は風前の灯火😂ネイサンからは今のところ大学から車で30分のリンク(前述したブルドッグデーにネイサンがイェールデイリーニュースで話していたChampions ice rinkと思われます)に練習に行った時の足だけの動画とキャンパス内で歌と踊りを楽しむ新入生のIGS動画の2つだけ。少し落ち着いたらまた情報発信してくれるかもしれませんね。”No News is  Good News”(報せがないのは良い報せ)と思っておきましょう。

しかし、この日程なら本当に時間がなさそうですね。新入生のガイダンススケジュール(PDF)

なにしろ、今日はナショナルドッグデーだったにも関わらす、ダンちゃんからも新しいインスタアップはなし(実際はナショナルドッグデーの#で一枚ありましたが写真は2017年11月11日のもの😭)ダンちゃんダディは運動クラブを統括している部署の方のようで、恐らく新入生の対応に追われているのかもしれません😥このパパラッチの👅だし写真はいったいどこにいったんでしょう???

そして水曜日からいよいよ授業開始。ガイダンスの間毎日カウンセラーとのミーティングもありますし、時間割が確定すればネイサンも授業の合間に練習時間をどこに組み込むかスケジュールを立てられて少し落ち着きそうですね。クジラリンクもそろそろ氷が張られるでしょう。下記が2018-2019年の学年歴ですが、アメリカの大学なかなか良くできてますよね。学生達が疲れた頃に適度に連休が組み込まれています。今週末も早速レイバーデーで3連休です。冬休み、春休みは日本よりかなり短いですが、全体的にうまく組まれているなという印象を受けました。ネイサンはこれらのショートタイムの休みを上手く利用してモントリオールに練習に行く計画かもしれませんね。大学は毎年ほぼ同じ日程で動くと思うので在学中(休学中は除く)GPSに出るとしたら第一戦と第六戦を希望することになりそうです。もちろんワールドの成績とも関係あるので希望通りになるかどうかわかりませんが。(NHKが以前なら第六戦固定だったのに😂来年以降もシャッフルでしょうか?)ワールド前はしっかり練習ができそうですし期間中もちょうどお休みです。

アカデミックカレンダー(2018-2019)

最後に、チャンプズ・キャンプの様子を少しだけ。今年は五輪後でGPSに出ていたトップ選手の引退、休養が相次ぎ寂しいキャンプとなりましたが、新顔も多くこれからが楽しみです。今年もお料理教室、チームビルディング、セミナーなど多彩なプログラムだったようです。Twitterと同じ内容ですが、写真と動画を載せておきます。

飛行機の遅延で遅れてきたネイサン。早速超スピードでサインしてます😜

 

When you’re @nathanwchen, the autograph pile is endless. ✍️ #ChampsCamp18

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焼いただけ巻いただけの二人の料理が美味しそうに見える罠😜

 

 

Serving looks and meals at #ChampsCamp18. 🍽

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米スケ連から質問してくれたらキャンプ中に選手に聞いて答えるよという企画でどのTシャツを選んだかNCJPから質問してみました。まだ答えはもらえていませんがいつかもらえると嬉しいですし、期待して待っておきますね😃

そして、来月SPUR11月号になんとネイサンが昨年に続いて登場。嬉しいですね。今年は「センセイと、僕」のステファン、デニス師弟のようにハイファッションに身を包むネイサンが見られるのでしょうか。ザアイス大阪と名古屋の間に東京に行ってましたが撮影は恐らくその時ですね。もちろんインタビューも楽しみですが、どんな髪型、どんな服で登場するのか来月が待ちきれないです。いつもとは違う非日常の姿にネイサン自身もきっと楽しんで撮影したのではないでしょうか。裏話や動画も楽しみです。

最後に今日はナショナル・ドッグデー。Puppy Love😍ダンちゃん15態ご覧になってさようなら。今週は動物尽くしのWeeklyでした。また、来週。

(追記)大学は自由で民主的、中立なので特に現政権への批判や論争をしたいわけではないようですが、移民問題というとどうしてもトランプ政権の政策が絡んできますね。しかし、学長講演後インタビューされた新入生はこの問題を政治的に扱うのではなく、イェールのキャンパスでの移民の役割を話し合うことができたことに感心したと話しています。また、別の学生はイェールはすべての人にとってホームであると強調したことは重要であると答え、またある新入生はこのスペースではインクルーシブであることが重要であると話したそうです。こういう学生たちとこれから一緒に学ぶネイサンは今までとはまた違う刺激や学びがありそうです。ずっとネットスクールで勉強してきたネイサンにとって同じ年齢の学生達と議論をしたり発表したりするのは最初戸惑いがあるかもしれませんが、もの凄い潜在能力の持ち主だと思うし、未知のことにもワクワクしていそうです。新しい環境にもすぐに慣れてきっと力を発揮してくれるはず。両立は私達が多分想像もつかないくらい大変なことだと思いますが、文舞両道頑張れ!ネイサン💪遠い日本からファンは皆応援しています。

(追記)学長スピーチ全文

(追記)学部長スピーチ全文(16枚の入学式写真あり)

チュン学部長のスピーチに出てくるイラスト

入学式動画

Yale College Opening Assembly – Class of 2022

 

更新後ネイサンから寮でスィートをシェアするスィートメイト5人と一緒の写真がインスタにアップされました。まずは順調そう。授業も始まりますし、本当にいよいよですね。6人で力を合わせて有意義で楽しい大学生活となりますよう願って止みません。

 

 

suitemates looking fiiine🔥

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****注)サイト内では便宜上、Presidentを学長、Deanを学部長と訳しましたが、Peter Salovey先生(President)は大学のトップ(日本の私大風にいうと本部の経営トップの理事長)、 Marvin Chun先生(Dean)はイエールカレッジのトップ(日本では教育のトップである学長)かもしれません。お二人とも心理学者であるというのが興味深いです。Salovey先生は心の知能指数と呼ばれるEQが、Chun先生は学習する脳を科学するニューロサイエンス(神経科学)がご専門のようで新しい分野の研究者ですね。