ISU世界フィギュアスケート選手権2019（さいたま）

TeamUSA より抜粋
ネイサン：今日のショートプログラム滑りにはとても満足しています。
勿論、改良出来る部分は常にあります。しかし、あれは自分のベストの滑りだった。このままFSに続けたいと思う。

(ハビ以来のW2連覇かかるが)勝てるかどうかに関わらず、この世界選手権は他の世界選手権と何も違わない。
皆が怪我のない状態で試合に臨めるのは良い事です。自分の滑りに満足しています。この滑りが土曜FSへの自信になればいい。

今季は少し学びがあって凄く気に入ってる。
スケートに関しては進化の過程に満足しています。スケート以外でも自分の個性を発展させる事が出来た。スケートだけが全てじゃない。世界に何か影響を与えたい、思い上がりに聞こえて欲しくないのですが、スケート以外のところで(世界を)良くしていきたいんだ。

ジェイソン：自分のエネルギーを抑えて落ち着いて滑る様に努めてる。これは僕には正に夢、僕が夢に見てきた事全てが現実になったんだ。

ヴィンス：強い滑りだったと思う。今季最後のSPをあのように滑ることができて嬉しい。
4SはURだったのはわかってる、どんなミスをしたかわかってる、どの部分を改良したらいいかわかってる。プログラムは一つのジャンプだけではないので、そのミスでプログラム全体がダメになるのではない。

キャシー・リードさんによるインタビュー
物凄く満足。日本に来て素晴らしい観客の前で滑れて、世界のトップと戦えて嬉しい。また別に、SP FS共にクリーンに滑れて嬉しい。
今シーズンはずっとそれを目指していたので、それが世界選手権で出来て最高です。
学校へ通い初めてからスケートに対して違った見方が出来る様になったし、滑るのを以前より楽しめるし、その瞬間を大事に出来る様になった。

スケート人生に終わりがあるから、氷に乗れる(試合等の)機会は全て逃さない様にしたい。この経験ができてもの凄く有難い。
今は喜びに浸りたくて、この先はいずれくるから来シーズンについてはその時に決めるだろう。今は起こった事を楽しみたい。

PJさんによるインタビュー
良い演技を2本揃えられて物凄く気持ちいい。
以前も言ったけど、彼は毎回信じられない程素晴らしい事をするので、彼と同じ試合に出て共に滑り、直後に滑るのは物凄く光栄です。
特に彼が如何に高く自分の(演技)目標を設定してるかわかるので、それに付いていく事が出来て本当に良かったです。

(どうしてスケートが好きか、ファンに向けて)
それは、この様な瞬間を感じられるから。
毎日練習するのは簡単ではない、一生懸命練習するんだ。
練習しにリンクへ行きたくない時が何度もあるし、この様な試合でさえ、どうして僕はここに来ちゃったんだ、とストレスが高かったり気分が乗らない時もある。でも、滑った後は良くも悪くも何かをやり遂げた達成感がある。それが僕がスケートするのが好きな理由。

英ESP　FS解説
ここまでは彼にとっては夢の様な一年で、ここまでは3番目のギアでも勝てたけど今は一番上のギアに入れなければならない。全力を注がければならない。羽生への点数差は十分。12.5点差でFSを滑る。
綺麗な4Lz、彼への観客の反応が聞こえますか？観客のアイドルへのライバルへの反応が。

4Fも着氷、これは耐えた。4T。3A。素晴らしいスタートになった。
2本目のクワド、行った、4T3T！ネイサンへの(観客の)反応が素晴らしい。3Lz3T。Fからの3連最後の3S耐えた。

[演技後]
人間かどうか彼をちゃんと見ないとね。本当に見事な演技だった！羽生の後で、こんなシーンを見た事も聞いた事もない。ここでのこの滑りに度肝を抜かれた。今回もやった、昨年のミラノより更に素晴らしかった。世界チャンプのタイトル維持した。驚異的。
パートタイム(のスケーター)でこれだ(笑)(あの)羽生の後、他の誰であっても勝つ方に賭けないよね？(羽生の後)会場大混乱だった

ネイサンはやるべき事全てに集中しなければならなかった。どこでどの様に起こったのか、彼は全く違う血筋を持ってる。
本当にそうだね。うん、そうなんだよ。本当にそうなんだよ。信じられないんだ。信じ難いね。彼は全部を凄く簡単にやって見せた。本当に最終的には大差で勝つだろう

そうだね。これだよ、皆んなこうすべきなんだ(笑)
スポーツはパートタイムでやりましょう(笑)
どうやって重圧をはねのけるんだ。積み重なって羽生に対して物凄く重くなってたはず。(はねのけずに重圧と)共に何とかするのかもしれない。分からないけど。多分そうだよ。うん、そうかもね

ネイサンとユズルはお互い戦うのが大好きなんだ。二人は最高の好敵手。疑う余地はない。
イェールでの勉強とスケートとの両立で、人生の捉え方が変わったと彼が言ってたけど、前は人生にはスケートだけしかなかったからね。でも(人生には)もっとあるんだよね。ひょっとしたら、それがこの状況への対応の仕方の手助けになったのかも。誰にも分からないけど。
うん、こんな状況が進むにつれ、僕はこういう解釈をして行くよ(笑)それしかないね。だって関連付けられる物が何もないから(笑)過去にこう言う事はなかったから。

[キスクラ]
君は男だ。ラファも男だ。216点！
彼も笑顔だね。世界チャンピオン、連覇。
ネイサン・チェンに頭を下げるよ。とにかく見事だった。

メリル・デイヴィスによる深夜の東京でインタビュー

メリル：世界選手権2度優勝の意味は？
ネイサン：昨季優勝、今季も優勝、僕が望む以上の結果が残すことができてとても満足。
それが今スケートの中心である日本で起きた、驚くべき事です。

メリル：今シーズンの精神的な取組は？
ネイサン：今シーズン中ずっと僕のスケート人生の中で最も楽なシーズンと感じていた。
変わった理由でなんだけどね。
僕のスケートが安定して、形になって来たと感じるしプログラムでやってる事がしっくりきている。
はっきり分からないけど、理由はスケートに対する見方が変わってきたからなのは間違いない。多分、自分がやってる事は出来るんだと言うのがわかってるからじゃないかな。
過去の試合でそれが証明できたのも理由になってる筈。

メリル：FSの4Lzは今まで見た中のベストと思ったそうですが
ジャッキー：試合や練習でネイサンの4Lzを何度も見てきたが、特に全米からこの世界選手権にかけてジャンプが浮き上がった様になってきた。全部がね、着氷も着氷の流れもそう。
彼の技術的エレメンツが以前とは完全に違っていて、彼の精神面と関係する何かがありそう。

メリル：この世界選手権の公式練習で毎回良くなって行っていきましたが
ネイサン：確かにそうです。練習初日は少し疲れていた。海外からの長時間のフライト後、大体2～3日で落ち着くし、ここにはラファが居てもの凄く助かった。彼が普段言う点を聞けた。
エレメンツで重要な幾つかの要点を再確認して指摘してくれた。それらはジャンプを上手く跳ぶのにとても大切な点で。(個人練習で)それが不足してたので、彼がここに居て僕をサポートしてくれたのはかなり大きかった。

ジャッキー：僕が説明すると、週の最初はこんな感じ(空中姿勢の軸が斜め)だったのが毎日調整されて真っ直ぐになって行った。何かが良かったんだよね。SPで上手くいって、FSでも上手くいった。

メリル：世界選手権2連覇はスコットハミルトン以来。今後は？
ネイサン：4連覇のスコットとは比べられない。まだまだ届かないけど、このスポーツでやって来た事に対して常に誇りに思ってる。でもまだ進化し続けたいし、スケートの全ての面で技術的にも芸術的にも発展させたいと思ってる。伸び代はまだ沢山あると思う。
これは3度目の世界選手権で、まだ何度か世界選手権に出場できる可能性がある、行きたいと思う。だから楽しみにしてる部分はまだある。
僕のスケートがどうなっていくのか、言い表し難いけどワクワクしてるよ。

メリル：今週の貴方を見てると動きの一つ一つでスケートへの愛が感じられたんですけど？
ネイサン：その通りです。今はリンクでの練習時間があまりないので。
まだ19歳だからまだまだスケートは続けられますがいつかはスケートが出来ない時が来る。それに1年で大体6試合程しかないから出場できる全ての試合の一瞬一瞬を大切にしたい。それが演技にも現れていると思う。
今は氷上の1秒毎に何か起きているか僕にはわかる。以前はただ滑っていて上手くいかなかったらどうしたらいいか分からなかったのが、もし上手くいかなかくても大丈夫、また練習したらいい、試合もあるしと今は思える。
この試合で学んだ事はその後の試合に活かせること。

メリル：学業との両立や衣装等全てをどうやってる？
ネイサン：僕が全部してるんじゃない。
僕がやろうとしてる事に全く関わりない事を動かしてるんだ。
ヴェラもだけど、僕が全部コントロールしてるんじゃない。彼らの人生の一部に僕を入れてくれて僕の人生の方にも入って来てくれている。
それら全て凄く運が良かった。この2～3年間僕を助けてくれている。幸運が重なったんだ。

メリル：ジェイソンのFSスコアが出る前、カメラがネイサンを捉えたら、あっちだよと指差していた。ネイサンの人柄を象徴していた。
ジャッキー：今週ネイサンとユズを見て興味深かった。愛があったり互いを褒めあったり。
フィギュアは競技でライバルと戦い金メダルを取る。彼ら二人が対戦する時必ずプレカンでお互いを讃えあい、表彰式であれネイサンに対してユズが拍手したり良い感じ。
純粋に自然にリスペクトする気持ちがあって。スケートにもファンにもスポーツにも良い。

ネイサン：(ユズについて)凄くリスペクトしてる。Jrワールドでは3Aで勝ちまくっていた。
その頃僕は3Aをまだ跳べなくてあんな風になりたかったし、彼のやり方でスポーツに革命を仕掛けてた。
2～3年後は世界選手権で勝ち始め五輪レベルまで急成長。五輪2度金を取った。それらは彼の功績で僕にはどうこうできないもの。それに対しリスペクトしてる。
アスリートは皆、そのスポーツに時間を費やして一生懸命努力してる。決して卑下してはいけない。なぜなら僕達は皆同じゴールを目指して頑張っているから。だから、最低でも共通認識としてお互いリスペクトすべきだと思う。出来るだけ僕はそれを表したい。そのフリでなく本当に心から。
世界中のアスリートは皆リスペクトされるべきだと本当に思う。

メリル：世界選手権では、ユズは昨シーズン不在で今シーズンの対戦だったが
ネイサン：僕にはどの試合でも優勝は大きな意味がある。ジュビナイルの頃のゴールデンウエストの地区予選でもね。世界選手権は出場するだけでもとても光栄。全員がFSを滑れるのでもないし素晴らしい満席の観客の前で演技ができる。この経験はずっと僕の記憶に残る。
世界選手権はフィギュアスケートでは最も重要な試合の一つ。それで2度優勝できて正に夢が叶った。
ユズの出場に関わらず、勿論彼が居るのは大きな意味を持つけど、彼は今回出場してたので彼と対戦する機会を得た。彼はSPを少し変更したかもしれないけど少しミスしたみたいで彼はまだ素晴らしい演技をする事ができる。
今回は僕に流れが良くて結果的に勝つ事が出来た。上手く言えないんだけど、僕には凄く意味があるんだ。

メリル：この二人の対戦について
ジャッキー：プーが片側で助かったけど今まで見た中で最も数が多かった。片付けるのに時間がかかったし。
その後ネイサンが物凄く素晴らしい滑りをした。立て続けにあれ程素晴らしい演技ができたのは驚きだし、スポーツには凄く良い。彼らのライバルとしての切磋琢磨もスポーツにはとても良いと思う。

メリル：他選手の様子を知るのは
ネイサン：試合中は自分に集中する為、前のコーチは他選手の様子を見せてくれなかったので反抗したくなったこともあったし、他の選手の様子を把握したくて。
自分の番の為の準備をする。自分には何が求められてるか、皆が何をしたかを知れば僕がどうすれば対抗できるかを考えられる。
僕達が皆クリーンに滑れたら、僕がクリーンに滑れたら順位はどうなる？とか。
彼等がどんな滑りをしてもクリーンに滑ろう。自分ができる最高の演技をしようとするんだけどね。(知る事で)違った心構えで自分の番を迎えられるんだ。

メリル：物凄く夜が遅いので、最後の質問、即答で、一言で言うと
ネイサン：羽生結弦→支配的。ヴィンセント・ジョー→僕の軌跡を辿る
2019年世界選手権→光栄　将来→TBD (To be determined) 未定

「ただクワドを飛ぶだけだと思いますか？」
僕は5,840日スケートしてきた。つまり、3万時間以上リンクで過ごして来たと言う事。35万回ジャンプを跳んで15万回転んだ。
「ただクワドを飛ぶだけだと思いますか？」
8回の大怪我、数えられない程何度も痛み、苦痛、打撲、捻挫を負った。バレエは8年間やった。
「ただクワドを飛ぶだけだと思いますか？」
凄い早朝、極度の睡眠不足、更に何日もジムで費やした。ほぼ10万回のスクワットを毎年やってきた。決意や闘志、忍耐がどれ程だったのか計る事はできない。
「ただクワドを飛ぶだけだと思いますか？」
クワドを跳ぶには半秒しか掛からないけど、スポーツを変えるには一生かかるんだ。