2018ールール改正とISU総会について(提案の概要)
- 2018.05.18
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- ルール
このページは日々溢れるネイサンやネイサンを取り巻く情報をメモとして整理していくページです。時系列の時もあれば項目ごとに分類することもあります。いわば記事の素材です。いずれFigure Skating Labに何らかの記事として投稿予定。ご意見などあれば記事に反映させていきますのでどうぞご自由に書き込んでください。
2018ールール改正について(随時更新あり)
【更新のお知らせ5月24日】Scale of Values, Levels of Difficulty and Guidelines for marking
Grade of Execution, season 2018/19 5月23日にCommunication No. 2168 更新( Communication No. 2089 より)されました。和訳を一部下の方に載せています
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2018年6月4日~8日(現地時間)までスペインのセビリアでISUの総会が開催され、ISU事務局長やISU加盟連盟の各国代表団など、350名以上の代表者がBarcelo Renacimientoで会合する予定。ルール改正他審議される。提案が受理されるには加盟国の3分の2以上の賛成が必要。下記サイトでは最も重要な提案のいくつかが要約されている。
詳細はISUコミュニケーション2156に掲載されており、多数の緊急事項もISUコミュニケーション2160に掲載。全ての情報は第57回ISU総会2018から。
総会は初の試みとしてYouTubeでライブストリーミング配信される。
【総会プログラム】
June 4:Opening of the Congress / Workshops
June 5 -7:Full Congress / Figure Skating and Speed Skating Branch Sessions
June 8:Full Congress and Elections
【男子シングルに関する主な提案】
- Grade of Execution (GoE) の変更:現行の-3~+3 の7段階から-5~+5の11段階に増やす。
- Jumps:フリーで跳べる4回転ジャンプを1種類に付き1度に制限する。理由としてより多様なプログラムを持ち、様々なクワドジャンプを実行できる選手にクレジット(名誉、功績)を与えるため(技術委員会提案)
面白いところでは、現行の表彰式のメダル授与が金メダル、銀メダル、銅メダルの順を五輪に合わせて銅、銀、金の順ににする提案も
上記概要にはないが、他には
- 男子とペアフリーの時間が4分半から4分へ
- 男子フリーのジャンプの本数が8から7へ
- SPのソロジャンプ前のステップ要件廃止
- 演技後半のボーナスポイントの付くジャンプの数の変更(カナダ、日本)
- クワドや3Aなどジャンプの基礎点の変更(下記に素案)
- オランダの緊急動議提案としてシニアに上がる年齢を現行の15歳から17歳へ引き上げ案(2020-2021シーズンより)
などが挙げられている。
ジャンプの基礎点の変更(案)
出所)icenetwok 2017年9月12日のツイッターからの素案
Scale of Values, Levels of Difficulty and Guidelines for marking
Grade of Execution, season 2018/19
5月23日にCommunication No. 2168 更新( Communication No. 2089 より)されました。
国際スケート連盟コミュニケーション第2168 号 シングルおよびペア・スケーティング
2018-2019シーズンにおける価値尺度(SOV),難度レベル(LOD),GOE 採点のガイドライン
以下主にジャンプ部分のみ抜粋
2018-2019 シーズンにおける価値尺度(SOV)
(2A以上)詳細は上記サイト確認(P.2)
ジャンプ、スピン、ステップ、コレオsq GOE採点のガイドライン
ジャンプ、スピン、ステップ、コレオsqGOE採点のガイドライン
1つならGOE+1、2つならGOE+2、 3つなら+3、4つなら+4、5つまたはそれ以上なら+5
ただし+4と+5は最初の3つ(太文字で強調されている)をすべて満たす必要がある
【ジャンプエレメンツのGOE採点ガイドライン 和訳】
1)高さと幅が十分(コンボまたはシークエンスを含む全てのジャンプ)
2) 踏切と着氷(の流れ)が良い
3)全体を通して エフォートレス(ジャンプ・コンビネーションのリズムを含む)
4) ジャンプ前のステップが予想外または独創的な入り
5) 踏切から着氷まで非常に良いボディポジション
6) 要素が音楽に合っている
【スピン】
1)回転速度およびスピン中の加速が十分である
2)十分にコントロールされ、明確なポジションである(フライング・スピンの時の高さと空中/着氷姿勢)
3)全体を通してエフォートレスである
4)スピンの中心(の軸)を維持する
5)独創的でオリジナリティがある 6)要素が音楽に合っている
【ステップシークエンス】
1)深いエッジ、明確なステップとターン
2)要素が音楽に合っている
3)エネルギーと流れが十分で上手く実行され、全体を通してエフォートレスである
4)独創的でオリジナリティがある
5)素晴らしくコミットメントされ、全身がコントロールされている
6)十分な加速と減速
【コレオグラフィックシークエンス】
【SP,FSでのエラーに対するGOE確定のためのガイドライン】
下にジャンプのみ和訳
【SP,FSでのエラーに対するGOE確定のためのガイドライン 和訳】
2017-2018からのGOEバリュー以外の変更
①SP:ジャンプの前に要求されているステップ/動作がない -3
②SP:ステップ/動作から直ちにジャンプしない、ジャンプ前のステップ/動作が一つのみ -1~-2
が廃止
男子シングル以外で重要な提案としては
- アイスダンスのショートダンスがリズムダンス(Rhythm Dance)に名称変更
- ISU世界フィギュアスケート選手権で、現行ペアのフリー進出を16組から20組に変更(これは決まれば嬉しい変更ですね)
【以下、メディアのルール変更に関する記事】順次付け加えていく
・ 時事通信記事(日本語)
・ ナンバー記事 松原孝臣「フィギュアの国際ルール改正へ。“美しい”羽生結弦が断然有利に!?」 2018/04/08 11:30
・ THE ANSWER編集部 「跳べたら勝つ」ではなく… 「シニア年齢資格引き上げ論」の是非」 露メディア検証 2018.05.15
・ 3/30 のISUの副会長で公認テクニカルのアレクサンドル・ラケールニ氏のルール改定に関する記事(ロシア語)
・ Icenetwork ハーシュ記者の記事(年齢制限引き上げに関する 英語)
ここでは、過去のラファのインタビューを中心にトムzコーチやオーサーコーチなどの意見も
・ The Washinton Post の記事 ”ISU to discuss limiting quads in free skate programs” 2018年5月16日
ネイサンのジャンプ写真を掲載し、男子フィギュアがあまりにもジャンプコンテストになってしまって芸術やその他の技術的要素を奪ってしまう恐れがあるのではと懸念されていることを紹介。フェルナンデス選手の見解も述べられている。
・ Los Angeles Daily Newsの記事 ”Quad king Nathan Chen lands in Anaheim for Stars on Ice show at Honda Center” 2018年5月9日
今回のルール改正がネイサンの登場によるものではとの問いかけにネイサン自身が答えている記事
「ルール改正はどういう方向にいくかまだ分からないけれど、僕はそれでも技術的に自分に挑戦し、新しく学び続けやった事のない事をやり続けたいし、新しい事に取り組もうとする」 といったことを答えています。
この記事は後日メディア(海外)の方に翻訳記事としてご紹介します。ネイサンのどんなルールになってもそれに従い努力するだけという姿勢がとても素敵です。
・ 「プルシェンコ、フィギュアの出場年齢引き上げを支持」スプートニク日本 2018年05月20日